10月31日、圏央道(桶川北本IC~白岡菖蒲IC)が開通し、圏央道を経由して湘南から東北までがつながりました。この圏央道埼玉県区間の全線開通から1ヶ月経った12月25日、国土交通省がストック効果(道路整備により生じる経済波及効果)を発表しました。これによると大きく3つの効果があったとのこと。
1.都心の渋滞を回避
東名高速から東北道へ圏央道内側を通行していた交通量が9割から3割へ大幅に減少。
2.関東近郊の観光地へ集客増加
鬼怒川温泉へ神奈川県からの宿泊客が2割増加
3.沿線に立地する企業の生産性が向上
移動時間短縮で配送の効率化が進み、生産性が向上
標準配送範囲が半径80kmから100kmへ約1.2倍拡大
今後、首都高速の料金改正が実施されれば、さらに圏央道の走行増加が予想されます。
■ETCは1.0から2.0へ
今回の首都圏の高速道路新料金案に関連して発表された項目に「ETC2.0」車載器搭載車に対する優遇措置があります。
先ほどの「圏央道のストック効果」でお伝えしたメリットに加え、圏央道を利用するETC2.0車載器搭載車に対して割引拡充の実施が検討されているのです。
当組合は以前からETCカードは利用状況によって使い分ける時代になったとお伝えしてきました。今回の首都圏の高速道路新料金案はその流れをあらわしていると言えるでしょう。
つまり、今後ETC1.0利用者とETC2.0利用者で利用金額に大きく差が生じる可能性あるのです。
■近畿圏や中京圏も新しい料金体系へ向けて検討
新しい高速道路整備の流れは首都圏だけの話ではありません。首都圏とともに日本経済を牽引する近畿圏や中京圏などについても検討が進められます。地域特有の課題を整理し、日本全体のネットワークが整備されるのです。
オリンピックへ向けて、高速道路は進化している。
平成27年12月、国土交通省は政府が閣議決定した2015年度補正予算の国交省分を公表しました。この中で「その他喫緊の課題への対応」として次の内容が盛り込まれています。
『物流コスト安定化などのための高速道路料金割引の臨時措置として256億円を計上』『ETC2.0の利用者に対する大口・多頻度割引の最大割引率を40%から50%に拡充する措置を2017年3月末まで延長』。
2020年のオリンピックへ向けて、高速道路の整備が進んでいくことに間違いありません。世界各国から多くの人が訪れる際、交通渋滞によりスケジュールが滞ることは許されないこと。利用状況によりメリットを享受させることで加速的に交通事情の改善を進めているのです。
しかし、その結果、料金や割引改正が複雑になることは否めません。そのために必要なのが確かな情報網です。今のような情報過多な時代では「何が自分に必要なのか」見極めるのは難しい。
そこで、現在、当組合では今回の首都圏の高速道路新料金案の内容をふまえ、組合員様にとって必要な情報・提案を精査しております。国土交通省からの正式発表がありましたら、このレポートやホームページを通して組合員様に必要な情報を提供してまいります。
(2016.1.20)
圏央道に関しては、2015年12月10日に「境古河ICからつくば中央IC間が2016年度内に開通」とのニュースが入ってきました。
(2015.12.10)